2003年度専門ゼミ
後期グループ研究論文テーマ


第1班
(仮題)食の伝統を守る「ふくや」の歴史と成長
  −生産方式と経営戦略の革新−

 21世紀に入り、九州地域では全体的に不景気を見せ、食品加工業の空洞化という状況を見せている。食品加工業はどのようにして生ければよいのだろうか。
 九州地域の食品加工業の中に、博多名物である明太子を扱う企業「ふくや」をとりあげ、多面的に分析を行う。地元に根付いた企業としての「ふくや」にも社会のあらゆるシーンにおいて、これまでと全く違う新しい理念と戦略が求められる。
 「明太子は高級珍味でなく、惣菜である。」この創業者の考えのもと「ふくや」はできるだけ家庭に身近な場所から明太子を提供している。それが直営店による販売であり、それによって顧客の超えを直接「味つくり」に生かしている。そして「ふくや」は今「強い会社、良い会社」というテーマを掲げている。「強い会社」とは企業として健全に事業を進め、確実に利益を上げながら発展していくためのパワーを備えた会社であること、食の伝統を守りながら、明太子を通じて夢もともに実現できる会社であること。一方、「良い会社」とは、お客様をはじめ株主、社員、取引先などその企業を取り巻くあらゆる人々を大切にしながら、社会全体に貢献していく企業を意味する。その中でも「ふくや」が目指しているのが、社員にとっての「良い会社」だ。「ふくや」に集う一人一人が、単なる、会社人間に陥ることなく、どんなステージに立ったときでも自らの力で輝ける人間であってほしい。「ふくや」で学んだことを生かし、地域のさまざまなシーンそれがひいてはお客様の満足につながり、九州地域社会の発展にも貢献することになると信じる。
 こうした「強い会社、良い会社」というテーマはどんな姿で現すか、企業に内部の生産方式と経営戦略の革新という諸側面を検討したいと思う。

第2班
(仮題)トヨタと日産
  −トヨタと日産における成功と革新−

 日本市場における自動車販売は97年以降の景気後退を反映して急速に減少してきたが、ここ数年日本国内における販売台数は緩やかに増加している。その背景には、RV車・軽自動車・高級車・コンパクトカーなど、実に多様な車種が続々と市場投入され、それぞれの車種におけるブランドやデザインの変化が激しくなっているなど、趣向の多様化などが影響している。それに加え、1990年前後の“バブルの時代”に高級車を中心に大きく伸びた販売数からみると、未だに顕在化していないが大きな買い替え母体として存在していることが考えられ、これから先、自動車メーカーは各社とも革新を迫られるのは必然のことであるだろう。
戦後、奇跡の経済成長を遂げた日本経済の中で、日本的な経営システムが大きな効果を発揮してきたことは疑いようのない事実である。だが、情報や新しいスタイルの経営システムが次々と生まれてくる現在において、未だにこの古い体制から抜け出せていない企業の中には、倒産という結末をむかえている企業もある。
 このような過酷な生き残りは自動車産業でも顕著化している。戦後、日本の産業の中核をなしていたのが自動車産業であることは周知のことだろう。その自動車産業を支えてきた中心的な企業が「トヨタ自動車」と「日産自動車」である。本文では、上に挙げたような生き残りの激しい不況の中でも、みごとに革新を遂げているトヨタと日産の会社としての「強さ」がどこから生まれてくるのかを経営者と経営戦略という2つの視点から2社を比較し、共通点・相違点に注目しながら考察していく。
 トヨタ自動車においては、創始者である豊田喜一郎を生い立ちからトヨタ自動織機時代、自動車部創設、そしてトヨタ自動車工業株式会社創立というトヨタ自動車の生成発展を、トヨタ自動車工業株式会社の初代代表として豊田家事業の最高責任者の地位にあった豊田利三郎との関係をみていき、現在日本の自動車産業のトップに君臨するまでに至る成功へのプロセスをトヨタが長年行ってきたムダを排除する生産方式、「トヨタ生産方式」に注目しながらトヨタの経営戦略を見出していく。また、常に業績を伸ばし続けるトヨタに対し、不振に陥った日産。その日産を立て直す為に迎いいれられたカルロス・ゴーンとはどのような人物であるのか。「コストカッター」の異名を持つルノー出身の彼についても生い立ちから現在に至るまでを調べ、「日産リバイバルプラン」の下、これから勝ち組に復活しようとしている日産を細かく分析していく。
 以上ことを明らかにしたうえで、全くゼロの状態から自動車産業へ参入し、その屈強な信念と経営手腕によりトヨタ自動車を創始し日本のトップ企業にまで押し上げた豊田喜一郎と、不振に陥った日産を立て直すことを宿命とされ、外国の企業から日本の企業へと迎えられたカルロス・ゴーンという2人の経営者の共通点・相違点と、ムダを排除するというトヨタの「トヨタ生産方式」と、同じくムダを排除するというゴーンの経営戦略にはどのような共通点・相違点がみられるのかを考察し、現在の自動車産業のなかで、どのように変化してきたか、また、これから先どのように変わっていくかを見ていくことにする。


第3班
(仮題)日本郵船

 弥生時代から、日本は中国から技術や文化を、輸入してきた。どうやって輸入
したかというとそれはもちろん船による貿易である。四面を海で囲まれた国、日本は、このように船に頼る貿易しかなく。そのため海運業は古来よりさかんであった。
 19世紀まで、海運会社は、運輸・物流・商社など、国際間の商取引を担う事業者の代名詞でもあったが、その後輸送の手段は多様化していくことになる。鉄道や自動車による陸運、飛行機による空輸などのビジネスが出現し始める。しかし長距離大量輸送には依然として船が中心である。しかも海運会社は長い歴史のなかで培ってきた高度な物流ノウハウをもっており、輸送手段が複雑になった今だからこそ、大きな役割を果たすことができるのである。
 日本郵船を中心とするNYKグループはいま「NYK LOGISTICS and MEGACARRIER」を基本理念としている。これは世界を代表する海運会社(メガキャリア)として、新しい時代のソリューション(ロジスティックス)を実現していくという経営戦略のことである。そしてさらに、日本郵船の憲法ともいえる「企業行動憲章」では、第一の項目として、次のように定めている。「総合物流事業及び客船事業に課せられた、安全かつ優良なサービスを提供するとの社会的使命を自覚し、顧客の要望に謙虚に耳を傾け、その期待と信頼に応え、合法且つ公正な企業運営を通して、適正な利潤を確保し、株主に報いるとともに、社会の発展に貢献する」海運という歴史ある分野で、常に変わらない使命感を持って成長質図けること、揺るがぬ思想をもちつづけることが、日本郵船の企業としての強さであると思われる。
 その日本郵船の歴史をさかのぼると、130年以上も前になる。長い歴史と伝統をもつこの企業はどのようにして発展してきたのか、日本郵船の始祖である岩崎弥太郎の時代から、その成長の過程を、時代背景とともに調べてみようと思う。


専門ゼミナールのページに戻る。